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杉岡鍼灸治療院


第12回 東洋医学 「気」

東洋医学では西洋医学とは違う視点で人体をとらえ、健康や病気に至る理由についても独自の理論を持って考えています。今回は東洋医学の「気」について考えてみたいと思います。

東洋医学では人の生命活動は「気」「血」「水(津液:しんえき)」が正常に動き、バランスよく臓器、器官、組織の間をめぐることにより生理活動が良い状態で維持されていると考えられています。

「気」という言葉は日常生活にも多く使われています。例えば、元気、天気、雰囲気、気が合う、など様々な場面で使われますが、どれもこれといった形があるわけでは無く、その物事の様子や状態などをあらわすことに多く用いられています。

東洋医学においては、「気」は目に見えないエネルギーで生命活動の源となり生体機能の維持を司っているとされています。「気」は「先天の精」と「後天の精」から成り立っています。

「先天の精」とは、誕生の際に父母から受け継ぐもので生命の根源です。人体の器官や組織の基礎をつくり成長の素になります。「先天の精」は「後天の精」により補充され、また変化をして気の一つである「原気」となり臍下丹田にあつまり、人体の基礎活動力と働きます。

「先天の精」は誕生の際に父母から受け継ぐとされていますから、受胎から胎児の間に受ける影響は大きなものとなります。これは西洋医学的にも同じことが言われており、母親の飲酒、喫煙、食事などが如何に重要かということが分かります。勿論、父親の生活習慣の影響も皆無ということではありません。

余談になりますが、最近の調査では出生時の体重が小さいと将来糖尿病や生活習慣病になる率が高くなることがわかってきました。過去にこのことを研究していたグループは当時、「差別的だ」として人権団体から抗議を受けて中断してしまいました。

また、以前は「小さく産んで大きく育てる」という傾向や女性の「やせ」願望がエスカレートして、妊娠時でも極端な食事制限やダイエットを行ったばかりに胎児が低栄養状態に適応した発達をしてしまった事があったようです。そして、出生後に「大きく育てよ」とばかりに食事を取らせるとインスリンの分泌が少なかったり、基礎代謝量が低かったりという条件が重なり小児の2型糖尿病や肥満の増加につながっているのではないかと言われています。

「後天の精」とは誕生後に自然界(食物や空気など)から体の中に物質を取り込み変化させて出来るものです。「後天の精」からは空気や食物を身体に取り込むことによって「営気」、「衛気」、「宗気」がつくられます。

さて、「気」は目に見えないもので現在のところそれを科学的に観察することや測定することはできていません。東洋医学でも「気」は目に見えないものだとされています。しかし、その存在は漠然とではあっても感じているのではないでしょうか?

さて、「気」には先天の精からできる「原気」と、後天の精からできる「営気」、「衛気」、「宗気」があります。「原気」は「元気」とも表されます。元気がある、元気がないということはよく聞く言葉だと思いますが、おそらくはここから来ているのではないかと思われます。

「原気」は両親から受け継ぐ先天の精が変化したものです。これは生命活動の源となります。「原気」は後天の精から補充され臍下丹田にあつまり経絡(気が通る道とされています)を介して全身をめぐります。

空手でもよく丹田に気を集中するとか力を入れると充実した技や気合いが出せると言われるゆえんだと思います。「原気」が旺盛ならば下腹部に張りがあり活気に満ち疾病にも罹りにくいとされます。逆に「原気」が弱まると活動力が低下し疲れやすく、体が冷えやすくなり疾病にも罹りやすくなります。

後天の精から作られる「営気」、「衛気」、「宗気」は「血」や「水(津液)」の素となります。そのため、身体に取り入れる空気や食物などの質やバランスにより「営気」、「衛気」、「宗気」の生成が左右されます。

「宗気」とは肺において後天の精と天の気(大気と考えられます)が交わって、胸中に集まる気です。その為、体内に取り入れる天の気である大気の質としっかりとした呼吸が重要になります。

「営気」「衛気」は後天の精である食物を身体に取り入れることにより生成される気です。「営気」は津液を血に変化させ、血と一緒に体内をめぐります。働きは臓器や組織に栄養を与え、その活動を支えます。「衛気」は主に体表近くで働き、外邪と呼ばれる外からの様々な作用に対して防御作用を持ちます。

ここまでは気の種類と作られ方と作用を簡単に解説しました。では、ここからはどのようにこの「気」をよりよい状態にしていけるかを空手の稽古を通じて考えてみます。

「原気」は臍下丹田に集まり全身をめぐります。そこで空手の稽古では技を出す前にしっかりと丹田を意識し力を適度に込めておき、技を繰り出す時に丹田に蓄えた気を突きや蹴りにしっかり送り出すイメージをすることが求められます。最初から早い動きで行うことは難しいので徐々にゆっくり分けて行うとよいと思います。

「宗気」は天の気である大気をしっかりと吸い込み且つ吐き出すこと、つまり呼吸が大切です。空手に限らず呼吸は様々な武道やスポーツで大変重要となりますし、健康においても同じです。呼吸と言うようにまずはしっかりと吐くこと(呼気)が大切です。

肺や気管にはどんなに頑張っても空気が残りますが出来るだけ残る空気の量を少なくします。そうしないと呼吸をしているつもりでも肺と気管の中だけを空気が行ったり来たりして段々と息苦しくなります。しっかりとガス交換ができていないからです。

しっかりと空気を吐くためには細くゆっくりと吐くようにします。そうしてから腹式呼吸でしっかりと吸います。その感覚を覚え段々と素早い呼吸でもしっかりと吸ったり吐いたりが出来量にすると良いと思います。

そして、気合いです。技を決める時に大きく鋭い気合いを出すように心がけます。大きな気合いはしっかりとした呼吸と体幹の筋肉の締めが重要となります。

「営気」「衛気」は食物から生成されます。医食同源と言われるように食事の質やバランスに配慮することが大切なのは御承知のことと思います。

自然でも「淀んだ水、動かない水は腐る」と言われます。人の体も同じで気や呼吸、身体も動かさずに留めておくと老廃物が溜まり不具合が出てきます。しっかりと動かすことが肝要です。

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