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杉岡鍼灸治療院


第10回 骨力

成人の体には約200個の骨があり二本足で歩くその姿を形つくっています。どんなに発達した筋肉を持っていようとも骨がなければグニャグニャのままです。また、骨粗鬆症やカルシウム不足で骨が弱ければちょっとした力で折れたりひびが入ったりします。

東洋医学では五臓の腎とのつながりが深いとされています。腎は精を蔵して精は髄を生じて※1、髄は骨を栄養しているとされています。腎が弱くなる(腎虚)と骨も弱くなり骨の病気を引き起こすとされています。

しかし、今回のテーマ「骨力」とは医学的な骨の強さではなく、人が持っている芯の強さについてです。

「骨」がつく言葉をあげると「骨が折れる:とても苦労すること」「骨身にしみる:強く心に感じる」「気骨がある:気概、簡単に他人に左右されない人」などがあります。どれも強い意味で使われることが多い言葉だと思います。

骨とは心身共に人間にとって基本となり、重要な部分を占めていると言えます。骨が弱ければ身体的にはすぐに壊れてしまい動けなくなってしまい、心の骨が弱ければ問題やいざという時に行動が出来なくなってしまいます。

では「骨力(こつりょく)」とは何かというと、安岡正篤先生※2の言葉で「人生の矛盾を燮理(しょうり:和らげおさめること)する力。この世の中は複雑な矛盾から成り立っている。矛盾を感じられることを包含してこれを燮理しなければならない。その包容力、忍耐力、反省力、調和力、そういうものを骨力という。」と説明されています。

世の中は矛盾を感じることが多々あります。矛盾はストレスとなり心身の病気を引き起こす原因となります。たとえば、数年前に起きた秋葉原通り魔事件もその悪い代表例と思われます。犯人は自分の置かれた環境や境遇を周囲の人と比較し徹底的に卑下してしまったことにより、世の中と自分自身を否定してしまい凶行に走ってしまったとも言われています。

そして、新聞では「犯人の気持ちがわからないでもない」と答える若者が50%近くいるという調査結果も出ています。

ことに最近の教育では事なかれ主義や誤った個人主義、子供の権利が大切だという風潮があります。そのため子供たちの中は、保護されている立場から自立しなければならない立場になった時に大きな矛盾といきなりぶつかり自己を見失って、うつ病や心身症といった病気に罹り苦しみ、誤った方向に行ってしまうのではないでしょうか。

骨は無重力状態では重力という不可から解放されどんどん衰えてゆきます。地上であっても寝たきりの状態であればやはり骨は重力に抗することが少なくなり弱くなります。

骨力は矛盾という重力にたして鍛えていかねばならない必要不可欠なものです。そして、骨力を鍛えてゆくには一朝一夕にはいかず少しずつ行うしかありません。生まれたばかりの赤ん坊が少しずつ筋肉とともに骨が出来てきて重力に対抗する力を身につけ立って歩くのと同じです。

大人は子供たちの矛盾となることを恐れ避けてはいけないと感じるこの頃です。
 
※1腎は五臓(肝・心・脾・肺・腎)の一つで、生命力の根源である元気をもたらすとされています。
 
※2、安岡正篤(1898年~1983年)。陽明学を中心として東洋思想の研究者。昭和歴代首相の指南役を務め、昭和を代表する財界人の教化・啓発をおこないました。元号「平成」を考案された人物と言われています。

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